VIOS環境でのAIXディスク交換手順(PV-PVマッピングしたディスクがVIOC側で壊れてしまった場合)
タイトルが非常に長くなってしまいました。
要は、VIOSを使ってVIOCにrootvg用のディスクを渡しているような環境で、その渡しているディスクが故障してしまった場合にどういったコマンドを実行していくのか、を説明します。
IBM Knowledge Centerを参考にさせていただきました。AIX 5.3の環境をイメージしていますが、AIX 7.1でも同じコマンドで交換可能です。
2本のディスクでミラーを構成しているrootvgで、ダンプデバイスのセカンダリーを構成しているディスク(hdisk1)が故障した想定して説明していきます。
VIOC上で実施
事前確認
lspv
lsvg -l rootvg
lvの状態が、staleになります。
lsvg -p rootvg
hdisk1がmissingと表示されます。
ダンプデバイスの解除
sysdumpdev -l
sysdumpdev -P -p ‘/dev/sysdumpnull’
sysdumpdev -P -s ‘/dev/sysdumpnull’
sysdumpdev -l
ダンプ出力先が一次、二次ともに/dev/sysdumpnullになります。
ダンプデバイスの削除
rmlv dump1lv
rmlv dump2lv
lspv
lsvg -l rootvg
lsvg -p rootvg
ミラーの必要がないダンプ出力先のデバイス(dump1lv、dump2lv)が削除されたことを確認します。
ミラー解除
unmirrorvg rootvg hdisk1
hdisk1をアンミラーします。
lspv
lsvg -l rootvg
lsvg -p rootvg
rootvgからの離脱
reducevg rootvg hdisk1
hdisk1をrootvgから外します。
lspv
lsvg -l rootvg
lsvg -p rootvg
デバイスの削除
lsdev -C
lscfg -vl hdisk1
rmdev -dl hdisk1
lsdev -C
ここからVIOS
lsmap -all
VIOS-VIOCの紐付けを確認します。
実行結果の例(VIOSからマッピングが消えてる場合)
SVSA Physloc Client Partition ID
—– ——- ——————-
vhost10 U8xxxxx 0x00xxxxxxx
VTD NO VIRTUAL TARGET DEVICE FUND
実行結果の例(VIOSからマッピングが消えていない場合)
SVSA Physloc Client Partition ID
—– ——- ——————-
vhost10 U8xxxxx 0x00xxxxxxx
VTD vtd10
Status Available
LUN 0x8xxxxxxxxxxx
Backing device hdisk10
Physloc U58xx.001….-P3-D10
VIOCで認識していたhdisk1は、VIOS上ではhdisk10となります。
デバイス削除
rmdev -dev vhost10
lsmap -all
VIOCへの紐付けがなくなったことを確認します。
環境変更
oem_setup_env
OEMソフトウェアのインストール・セットアップ環境に入ります。AIXのコマンドが使えるモードです。
デバイス削除
lsdev -C
lscfg -v
rmdev -dl hdisk10
lspv
CEによるディスク交換
CEさんに連絡してディスク交換してもらいます。
サポート契約がないようなら、自身で交換します。
VIOSの先ほどの作業の続き
デバイス認識
cfgmgr -v
lspv
マッピング
mkvdev -vdev hdisk10 -vadapter vhost10 -dev vtd10
PV-PVマッピングします。
lsmap -all
VIOC上で実施
デバイス認識
cfgmgr -v
lspv
lsvg -l rootvg
lsvg -p rootvg
rootvgの拡張
extendvg rootvg hdisk1
hdisk1をrootvgに組み込みます。
lspv
lsvg -l rootvg
lsvg -p rootvg
rootvgのミラーリング
mirrorvg -m rootvg hdisk1
hdisk1へミラーリングします。
lspv
lsvg -l rootvg
lsvg -p rootvg
ダンプデバイス作成
mklv -t sysdump -y dump1lv rootvg 20 hdisk0
mklv -t sysdump -y dump2lv rootvg 20 hdisk1
20はダンプデバイスのLP数。環境によって適時、値を変更してください。
lsvg -l rootvg
ダンプデバイスの設定
sysdumpdev -l
sysdumpdev -P -p ‘/dev/dump1lv’
sysdumpdev -P -s ‘/dev/dump2lv’
sysdumpdev -l
最終確認
lspv
lsvg -l rootvg
lsvg -p rootvg
lvがsyncになっており、かつrootvgを構成するhdiskがactive状態であれば問題ありません。
以上で、交換完了です。