臆病者のための科学的起業法
以前ご紹介した大富豪の仕事術と大富豪の起業術の著者マイケルマスターソンが書いた本、臆病者のための科学的起業法をご紹介します。
マイケルマスターソン氏にはまっておりまて、こちらもダイレクト出版で購入しました。
先に結論だけ述べておくと、会社辞めて起業する前にしっかりとビジネスを始めておくべきだったと感じています。
目次
内容紹介
起業家はリスクを恐れない?
そんな印象をもちますし、周りからもそういう風に思われることが多いと思います。
でも実際はどうでしょう。
「起業家はリスクを恐れない?」とタイトルでチャプター1が始まりますが、本書では慎重にことをすすめるべきと述べています。
わかりやすい例でいうと、会社を辞めず仕事を続けながら、夜や休日に独立の準備をするべきという主張です。サイドビジネスとして始めることをお勧めしています。起業当初は売上げが上がらず生活に困る可能性が多いからですが、たしかに納得のいく理由です。
給料という形で生活を守りながら「サイドビジネス」を少しずつ育てていく。
頭からビジネスに突っ込むな
本書でも述べていますが、実際に市場でテストを行ってみるまでは儲かる可能性は未知数です。慎重にことをおこすことを勧めています。
必要なのは、適度な緊張と安定した職業、ビジネスを軌道にのせるための段階を踏んだ計画だと。
そして、起業する際の理由として、以下の5つの理由ははやってはいけないといっています。
- 現在失業中だから
- 人の下で働きたくないから
- 労働時間を減らしたいから
- 人間関係が面倒だから
- 楽に稼ぎたいから
人材について
起業する上で、やはり従業員を雇うが多くなります。そういった場合についてのアドバイス、どこで出会い、どうやって組織を育てていくのかを説明しています。とりわけ印象的だったのは以下のゲーテの言葉です。
「現在の姿を見て接すれば、人は現在のままだろう。人のあるべき姿を見て接すれば、あるべき姿に成長していくだろう」
ゲーテ
カリスマ性をアップさせ、ビジネス上の人間関係からより多くを得る12の方法
ロバートチャルディーニが自身の著書影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのかで述べている原則を元に編成された以下の内容は、ビジネスだけでなく実生活にも活かせる内容ですね。
- 人は、好意を抱いた人間と仕事をしたがる
- 人は、約束を守る人間に好感を持つ
- 人は、心から相手のためを思う人間を信頼する
- 人は、その分野に秀でた専門家と一緒に仕事をしたいと考える
- 人は、正直で道徳心にあふれ、正々堂々とした人間にお金を預けると安心感を持つ
- 人は、見た目が魅力的な人間、不快さを感じさせない人間にひきつけられる
- 人は、「誠実」だと思える人間と一緒にいることを望む
- 人は、自分の話に耳を傾け、関心をもってくれる人に応えたい
- 人は、自分と似たタイプの人間と一緒にいると安心する
- 人は、控えめな人間に好意を抱く
- 人は、忙しそうな人間に感心する
- 人は、役に立つ人間、つまり自分の時間と手間を省いてくれる人を求める
必要としない商品を消費者が買いたくなる秘訣
重要な点は「必要としない商品」といっているところです。書き間違えではなく、「必要としない」で正しいです。
そういった商品をどうしたら消費者が買いたくなるのか。
結論を述べると必要性を訴えるのではなく、欲求に働きかけることで実現するのですが、その方法については本書で詳しく述べられています。
広告キャンペーンを成功に導く方法
広告キャンペーンを考える際、色んなメリットを詰め込みたくなってしまいますが、本書では以下のように述べています。
最高の広告コピーは1つのビッグアイデア(商品を売るための中心アイデア)と、1つのビッグプロミスを基本としている。
コピーの書き方についても以下のように述べられていますが、具体的なプロセスは臆病者のための科学的起業法の本文142ページを参照してください。
コピーの冒頭で約束(プロミス)をする。そして、残りの部分ではそのプロミスが必ずかもられることを保証する内容を提供する。
そして、印象に残ったのは以下の内容。
短期的なマーケティングの成功が、必ずしも長期的な成功に結びつくわけではない
経験的になんとなくわかっていたのですが、たしかにその通りかもしれません。
適正な役員報酬の計算方法
役員報酬を決める時はピリピリしてしまいます。いったいいくらが適切なのか、非常に難しい内容です。
本書での主張は、会社のために人並み以上の働きをしているなら、遠慮せずにその分も報酬に上乗せしていいというもの。
「遠慮せずに」という価値観が日本人的ではありませんが、例えば、倍働いているのだからその分の報酬をもらっても問題ないですよねということですかね。
もちろん、ほとんど働いていないにもかかわらず報酬が高すぎるのは社内の印象が悪くなってしまいますので、避けたほうがよいですね。当たり前の話ですが、自身が100%の株を持つような場合で、かつ自身が社長の場合に、そのようなことにならないように注意が必要です。
こちらも非常にお勧めできる内容でした!